近親に魅力を感じないのはなぜ?近親交配の遺伝的リスクから近親相姦の違い

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近親に魅力を感じないのはなぜ?近親交配の遺伝的リスクから近親相姦の違い
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人は誰かを好きになりますが、ひとつの疑問として「なぜ近親には魅力を感じないのかな?」と思ったことはありませんか?


「単に親や兄弟姉妹だから」という理由もあるかもしれませんが、実は遺伝子レベルで近親を拒否することが分かっています。


そこで、この記事では、近親に魅力を感じない理由から、近親交配がもたらす遺伝的なリスクと、その結果について解説します。

目次

近親に魅力を感じないのはウェスターマーク効果

ウェスターマーク効果は、近親間で性的魅力を感じない現象を指し、フィンランドの社会学者エドワード・ウェスターマークによって名付けられました。


この効果は、特に幼少期から共に育った家族間や親密な関係にある者同士に見られ、近親交配を自然に避ける進化的メカニズムのひとつと考えられています。


この進化的適応は、近親交配による遺伝的リスクの高まりを防ぐための自然のメカニズムで、近親交配は遺伝的多様性を減少させ、遺伝病のリスクを高めるため、進化的にその回避は生存率を高めることに寄与してきました。


ウェスターマーク効果の実証的な研究には、幼少期に一緒に育った非血縁者間での結婚の希少性を指摘するものがあります。


たとえば、日本のアニメで幼馴染との恋愛は王道テーマですが、ウェスターマーク効果を検証するための社会調査の結果によれば、幼馴染との付き合いは上手くいかないことが多いようです。


要するに家族みたいな付き合いが長いほど、無意識レベルで「子供の頃からの家族で、性的対象ではない」という本能的抑制が働くそうです。


この現象はウェスターマーク効果の典型的な例として引き合いに出され、近親交配の回避には単に文化的・社会的な規範だけでなく、生物学的なメカニズムも働いていることを示唆しています。

人は強い子孫を遺伝子レベルで残すようにできている

遺伝的な研究の報告によると、MHCという免疫機構をつかさどる遺伝子領域があるのですが、MHC遺伝子の種類が多ければ多いほど、さまざまな病気に対する抵抗力が強くなります。


親から子にはMHC遺伝子が受け継がれますが、近親交配のように近い関係にあると、子が受け継ぐMHC遺伝子の種類が少なくなってしまい、結果として病気に対する抵抗力が弱くなることがあります。


つまり、MHC遺伝子の多様性を保つことは、健康な子どもを育てるために重要なので、異なるMHC遺伝子を持つ人に自然と引かれるようにできており、これによって近親交配を避けるのが自然なサイクルになります。

近親交配がもたらす遺伝的リスク

近親交配は、遺伝的に類似した個体間で繁殖が行われることにより、突然変異や遺伝病の原因となる遺伝子が表面化しやすくなります。


簡単に言うと、家族内で遺伝子が似すぎていると、普段は現れにくい遺伝病が子どもに現れやすくなるのです。この過程は、遺伝的浄化(遺伝子プールから有害な遺伝子を取り除くこと)の反対で、有害な遺伝子が集まりやすくなります。


特定の遺伝病を引き起こす遺伝子が、親から子へと両方から受け継がれる確率が高まると、遺伝的背景による精神的または体格的障害児が頻繁に生まれやすくなることが報告されています。

生物多様性の低下とその影響

生物多様性は健康な生態系を維持するうえで非常に重要です。


しかし、近親交配により、特定の遺伝子のバリエーションが減少すると、生物群の適応能力が低下します。これは、新しい環境条件や病気に対して、群れ全体が脆弱になることを意味します。


例を挙げると、遺伝的多様性が高い群れは、環境の変化や疾病に対して強い耐性を持つことが多いですが、近親交配によりその多様性が損なわれると、全体としての生存能力が低下してしまいます。


有名な例だと、スペイン・ハプスブルク朝(16世紀から18世紀にかけて、ハプスブルク家のスペイン分家の王が支配した広大な領土)では血族同士の結婚を繰り返し、17世紀末には虚弱な人物ばかりが誕生するようになり断絶するに至った歴史があります。

遺伝的健康への長期的な影響

近親交配の継続は、遺伝的健康に長期的な悪影響を及ぼします。


短期的には、遺伝病の発症率の増加が見られる一方で、長期的には、生物群全体の生殖能力や生存率の低下につながります。これは、遺伝的多様性の欠如が新しい環境への適応や病気からの回復能力を制限するためです。


古代日本においても、皇族の神聖さを強調するために、近親婚が当たり前のように行われていましたが、早死にすることや、50代まで長生きするが生涯病弱であったそうです。


したがって、遺伝的多様性を維持することは、種の健康と存続のために極めて重要になります。

近親交配と近親相姦の違い

近親交配と似たもので「近親相姦」がありますが、これらは意味が異なります。


近親交配は、遺伝的に類似した個体間で生じる繁殖を指し、この用語は人間だけでなく、動物や植物の繁殖にも使われます。


人間社会や文化では避けられるべきものとされていますが、近親交配自体が直接的に法律で禁止されているわけではない場合もあります。


一方で近親相姦は、家族や親戚間で性的な関係を持つことを指し、主に人間の社会において使用される用語で、多くの文化や法律において禁止されており、倫理的、道徳的な問題として扱われます。


近親相姦が発生すると、心理的な影響、社会的な非難など、複雑な問題が生じる可能性はありますが、日本の刑法上、近親相姦で罪に問われることはありません。ただし、相手が未成年者の場合は法律や条令での制限があるために犯罪になります。


まとめると、近親交配と近親相姦の主な違いは、前者が遺伝的に近い個体間での繁殖を指し、植物や動物にも適用される一方で、後者は人間社会における家族間の性的行為に特化している点です。


両者とも遺伝的リスクの増加という点で類似していますが、近親相姦は法的、社会的、倫理的な観点からもっと広く問題視されています。

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