VTuber(バーチャルYouTuber)は、アバターを用いて動画配信を行うインフルエンサーであり、近年急速に成長を遂げています。
VTuber業界は2020年には144億円の市場規模でしたが、2023年には約800億円に拡大し、2030年までには1兆円産業になると予測されています。
このような成長市場において、登録者数20万人を誇る人気VTuber「餅月ひまり」が突如として活動終了を発表し、多くのファンに衝撃を与えました。
彼女の活動終了の背景にはいくつもの謎と問題が隠されているようです。この記事では、彼女の活動終了に至る経緯と、クラウドファンディングの行方について詳しく解説します。
餅月ひまりの魅力と成功の要因
餅月ひまりは、2019年にYouTubeでの活動を開始し、2020年からはVTuberに特化したタレント事務所に所属していました。
彼女の成功の背景には、可愛らしい見た目と明るい声、そして大胆な下ネタトークがあります。
特に、彼女は「子ウサギ」と呼ばれるファンに支持され、そのぶっちゃけトークやオタク文化への深い知識が高く評価されました。
オタク文化との親和性
餅月ひまりの魅力の一つは、彼女のオタク文化への深い理解です。彼女は趣味がアダルトゲームであり、メイド喫茶でのバイト経験も持っていました。
このような背景が、ネット民との親和性を高め、多くのファンを引きつけました。彼女の動画では、懐かしいネット文化に触れることができ、ファンはそのニッチな魅力に惹かれていました。
活動終了とクラウドファンディングの問題
昨年11月末、餅月ひまりは突如として活動終了を発表しました。彼女はクラウドファンディングで約2700万円を集めましたが、このプロジェクトは完遂していませんでした。
2022年8月に開始されたクラウドファンディングでは、アダルトゲームのクリエイターを招いてオリジナルソングアルバムを制作することが目的でした。
さらに、調達金額が大きくなるほど特典が増えるストレッチゴールを設定しおり、825万円で「5曲目の楽曲追加」、1500万円で「7曲目の楽曲制作」、2000万円で「アイドル衣装実装」という流れで、2500万円調達できればリアルLIVE開催を設定していました。
しかし、1500万円の特典である7曲まで制作されたものの、その後プロジェクトは停止しファンは不安を募らせています。
内部音声データの暴露
週刊文春が入手した音声データには、ひまりの「中の人」の生々しい発言が記録されていました。
彼女は「クラファン邪魔だな」などと発言し、スタッフとの会話でも冷淡な態度を見せており、この音声データは、活動終了が発表される前の2023年5月と7月に録音されたもので彼女の本音が垣間見えます。
新たなVTuber「胡桃ふゅ」としての活動
餅月ひまりの活動終了後、彼女は新たなVTuber「胡桃ふゅ」として活動を開始しました。昨年11月にはすでにYouTubeチャンネルを開設しており、事務所に無断で準備を進めていたことが判明しました。
胡桃ふゅの動画内容も、餅月ひまりと同様にアダルトゲームをテーマにしており、声も同じです。ファンの多くは「前世」が餅月ひまりであることを黙認していますが、これはファンに対する裏切り行為と受け取られる可能性があります。
事務所と法的なやり取り
現在、ひまりの「中の人」と事務所は直接コンタクトを取らず、弁護士を通じてやり取りをしています。
事務所は、クラウドファンディングの完遂に向けて動いているとしていますが、今後のプロジェクトの進展については不透明です。
ファンへの影響
このような状況に対し多くのファンが失望し、SNSには悲しみの声が溢れました。
特にクラウドファンディングに出資したファンは、プロジェクトの未完了に対して不満を抱いています。
彼女の「中の人」が冷淡な発言をしていることが明らかになったことで、ファンの信頼は揺らいでいます。
そもそも事務所に問題があったのか?──VTuber「餅月ひまり」の活動終了の真相
餅月ひまりが活動終了に至った背景には、彼女の無責任な行動が大きいと思われがちですが、実は事務所側の問題が大きく関与している可能性が高いです。
VTuber事務所「ライヴラリ」の声明
VTuber「餅月ひまり」が活動終了した理由について、VTuber事務所「ライヴラリ」を運営するゆにクリエイトは「中の人に違反行為があった」などと説明しています。
しかし、この説明には多くのファンから疑問の声が上がっています。特に、同社所属のVTuber全員がほぼ同時期に活動を終了したことから、事務所側に何か重大な問題があったのではないかとの声が強まっています。
所属VTuberの相次ぐ活動終了
ライヴラリにはもともと4人のVTuberが所属しており、赤月ゆに・餅月ひまり・図月つくる・無月めもりの4人です。
しかし、赤月さんと無月さんが10月末に活動終了を発表し、その後、残りのタレントも相次いで活動を終了しました。11月末には、所属タレントが0人となっていたのです。
このような状況は異常であり、ファンからは事務所側に対する不信感が高まっています。特に、餅月ひまりの活動終了は多くのファンにとってショックであり、その理由については明確な説明が求められています。
クラウドファンディングの全額返金と音楽家の不満
餅月ひまりはアルバムCD作成のためにクラウドファンディングを実施していましたが、活動終了後もプロジェクトを継続するとしていたものの、最終的には中止されました。事務所は希望者に対して全額返金を行うとしていますが、これに対しても批判の声が上がっています。
アルバム制作に参加していた音楽家のbamboo(@bamboo_milktub)さんは、事務所に対する不満を公にしています。彼は「タレント個人はちゃんと礼を尽くしてくれたが、事務所とは一切絡みたくない」と述べ、事務所の対応に対する不満を表明しています。
さらに、「あのクソ事務所、俺が出てる動画消せって言ってるのに全然応じない。こっちが出した質問状もガン無視だし、方々でもめた話とか俺んトコ来てるし、魂ステージ下がるから関わりあいたくないんだが、お気持ちプレスリリース&弁護士チラつかせりゃビビるとでも思ってんのか」と強い言葉で批判しています。
ファンの反応と事務所への不信感
今回の発表を受けて、SNSでは餅月ひまりの行為を非難する声もある一方で、事務所に対する不信感を指摘する声が多く上がっています。
「ひまりちゃん側が発言できない状況下でこんな声明文出すのはちょっと度が過ぎてる」「正直全ての発端は事務所への不信感では」など、ファンは事務所の対応に対して疑問を抱いています。
さらに、クラウドファンディングについは所属タレントがゼロにもかかわらず「餅月ひまりや彼女たちと一緒に完遂します」という意味不明は回答がありました。
今後の課題と展望
事務所「ライヴラリ」が直面している問題は、VTuber業界全体にも影響を及ぼす可能性があります。今後、事務所はタレントとの信頼関係を再構築し、透明性を高めるための対策を講じる必要があります。
また、クラウドファンディングの未完了に対するファンの不満を解消するために、具体的な進捗状況や対応策を公開することが求められています。
一方で、ファンは餅月ひまりの活動終了を受け入れつつ、新たな形での応援を続けることが求められています。そして、VTuber業界全体としても、ファンとの信頼関係を維持するための透明性と誠実な対応が求められるでしょう。